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大里南市民センター

TEL. 093-391-5591

〒800-0037 北九州市門司区原町別院13番27号

周辺の名所・旧跡THE NOTED PLACES

大里南市民センターは原町別院遺跡の上に建っています。

原町別院遺跡の概要

   原町別院遺跡は発掘調査によって新しく発見された遺跡です。この調査は平成15年4月21日〜同年5月20日までの約1ヶ月間にわたって大里南市民センターの新築工事に伴って行われました。南東側の山地から関門海峡へと緩やかに続く低い丘陵の先端部にあるこの遺跡からは竪穴住居跡が3棟と溝、そのほかに多くの柱穴が発見されました。竪穴住居跡は弥生時代の終末ごろから古墳時代の前期ごろのものであることが出土した土器からわかり、3棟が同時に建っていた訳ではないようです。ですが、遺跡の状況からここが当時のムラの一部であることは間違いなさそうです。発見された多くの柱穴もこのムラに伴う柵列や建物の一部と思われます。この地点の標高は約14.6mであり、地盤の安定した小高い場所が生活の場として継続的に選ばれていることがわかります。
 ちなみに、住居跡のひとつからはアクセサリーの一部であるガラス製の小玉が出土しています。ガラス製品は貴重品なのでここには比較的裕福な人々が生活していたのかもしれません。


原町別院遺跡の竪穴住居跡

   写真は真上から見た2号と3号竪穴住居跡です。隣りあっていてどちらも平面形は長方形をしています。大きさは2号が3.2×3.0mです。床面には上屋を支えるための柱をすえた穴(中穴)が見えます。中央には炉後があり、住居内から外へ延びる溝が掘られています。これは住居内の排水のために掘られたもので、北側の低くなるほうへのびていますが、お互いが近い位置にあることから同時にたっていたとは考えにくく、建っていた時期には違いがあると考えられます。どちらからも多くの土器が出土しましたが、このほかに3号竪穴住居跡からはガラス製の小玉と石製の小玉が、2号竪穴住居跡からも石製の小玉が出土しています。石製の小玉については祭祀に使われた可能性もあります。


竪穴住居について

   竪穴住居とは地面を掘り下げて半地下の空間を作り、そこに上屋を架けて作る住居です。住居の平面系には円形や四角形のものがあります。上屋は腐りやすい木や植物質のもので作られるので、遺跡からはほとんど出土しません。このため上屋の構造についてはよくわからない場合が多いのですが、屋根を茅などの植物で葺くだけでなくさらにその上に土をかぶせる「土屋根」など、様々なタイプがあったことがわかっています。残念なことに原町別院遺跡では1号竪穴住居跡からの上屋の一部と思われる焼けた部材が出土しただけで、どんな住居が建っていたかわかりませんでした。
 

発掘調査の手順                    
発掘風景1
 それでは原町別院遺跡での例を使って、簡単に発掘調査の手順を紹介しましょう。写真は竪穴住居跡の発掘風景です。
発掘手順
@まず地面を丁寧に清掃し、埋まってしまった住居の痕跡を探します。竪穴住居跡の場合、半地下の空間が大量の土砂で埋まっているので、この写真のように土の色や性質の違いによって見つけ出すことができます。白線の内側の黒っぽく見える土が住居内に埋まった土です。
発掘風景2
A人力で内部に埋まった土砂を掘っていきます。この作業は住居の壁や床を埋まった土と間違えないように、また出土する遺物を傷つけないように慎重に行います。ここでは出土遺物の位置を記録に取るため、土器などはその場所に残して掘り進めていきます。
発掘風景3
B一旦住居跡の床面まで掘りあがりました。ここで一度記録のため写真を撮り、図面を作成します。
C残してある土器もすべて取りあげ、住居の床面まで完全に掘り上げます。ここでもう一度記録のために写真を撮り、図面を作成して住居跡の調査完了です。


バナースペース

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